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- 【自宅めし】東京
あるはずもないものが突如として目の前に現れる。
アナタも一度や二度そんな経験をしたことがあるかもしれません。
今日お話しするのは、平穏に暮らしいていたはずだったある中年男性の話。
いつものように会社を終え、いつものように百軒店、円山町、神泉町と家に向かっていたんです。
コロナの影響もあってクラブやラブホも休業中が目立つ街。
なんていうんでしょうね、、特に霊感が強いほうではないんですがラーメンが食べたい、そんな感じだったんだと思います。
普段の彼だったらラーメンなんて好きでもないし食べたとしても1年に150-200食位なもんです。
でもコノ界隈、ラーメン屋っていうのがないんです。
特に霊感が強いほうではないんですが、ラーメン屋はないはずなんです。
いつものように、ラーメン屋ないなぁラーメン屋ないなぁって思いながらね、歩いていたんです。
不思議ですねぇ彼、ある場所で立ち止まって一瞬目を閉じたそうなんです。
そして目をパッと開いた瞬間!!
あったんです。
見たこともないようなラーメン屋さんが。
これはおかしい、そんなはずはない、何度も自分を疑いましたよ。
でも何度確かめても、何度目をこすっても、目の前にあるのは「砦」という奇妙な名前のラーメン屋さんなんです。
この日、不思議とラーメンが食べたいと思っていた彼です。
食べればいいと思うじゃないですか。
でも特に霊感が強いほうではないんですが5月末の週末まではテイクアウトで過ごそう、そう思っていたらしいんです。
不思議ですねぇ彼、ココで立ち止まって一瞬目を閉じたそうなんです。
そして目をパッと開いた瞬間!!
あったんです。
テイクアウト。
テイクアウトをしているラーメン屋さんなんか普通ないですよ。
廃墟になった病棟でもラーメン屋なんて見たことないくらいですから。
ちょっと怖くなっちゃいましてね。
逃げるように走って家に帰ったんです。
古いアパート、しっかり鍵を閉めたんです。確認しましたから。
石鹸で手と顔を洗いましてね。
いつものようにYoutuberのおかず姫のチャンネルでも見ようとテーブルに座ろうとしたんです。
そしてテーブルを見た瞬間!!
あったんです。ラーメン。
いくらなんでもさすがにアノ店ではないだろうと見てみたんですが・・
悪魔の焼印のようにしっかりと「砦」という文字が刻まれていたんです。
鋭利な刃物で切りきざまれたネギやきくらげ。
メデューサの髪のように長い長い麺、生贄でしょうか豚の肉塊。
助けを呼んでも誰も来ませんでした。
すぐさまゴミ箱に放り投げ、吸ったことがないタバコに火をつけて落ち着こうと思いました。
飲めないビールも一気に喉に流し込みました。
そしてテーブルを見た瞬間!!
できていたんです。ラーメン。
豚からはがしとった骨を大鍋でグツグツ煮込んだようなスープ。
太陽にあててもらうこともなく日陰で監禁され育ったもやし。
光合成の意味も知らずにコノ世から去っていく植物です。
でも、恐れていてばかりではいられませんよ。
勇気を振り絞ってコチラも必死に体当たりしました。
そして最後のとどめを刺そう!そんな時!
でてきたんです。
替え玉と明太マヨおむすび。
ぎゃあああああああああ!
彼はそこで意識を失ったそうですよ。
その後どうなったか彼に聞いても、それ以上話してはくれませんでした。
ただ小さな声でつぶやいたのが聞こえていました。
ひとりで盛り上がって書いたワリにはオチが思いつかずショボくなったと・・