10年前から来てみたかった民宿があります。
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その宿は、非常に予約が困難で何度か電話をしてみたものの念願はかないませんでした。
それもそのはず、日本三大民宿・料理民宿御三家として名高い民宿。
その名も・・
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民宿 かいとく丸 
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しかしながら賛否両論。
大げさに言えば評価は真っ二つ。
酷評されていることも少ないのも事実です。
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その謎を解き明かすべく私はやってまいりました。
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しかし不安材料もあります。
10年前は8000円・10000円・13000円(税別)だった価格が電話で聞けば・・
13000円・15000円・18000円(税別)
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色々なブログを読み漁っても料理の内容はさほど変わっていないよう。
10年前から変わらぬ料理、それでいて1.5倍の値上げ。
正直厳しい戦いになるのではないのか、そう思っていました。
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酷評されているのは料理以外のものの方が多いです。
夕食が17時半、朝食が8時と決められていること。
でも若い従業員がいるわけではありません、おかみさんが一人でやっています。
料理もお一人で作られているようです。
意外や広い民宿で客室数も多いんですが3組が限度。
不思議なことではありません。
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寝具の上げ下げはセルフ。
急須やポットは朝セルフで返す。
もちろん全部やってくれる民宿もありますが不思議に思うのが理解できません。
お風呂が14時から20時までと短い。こんな情報もありました。
確かに20時は・・と思いましたが実際は翌朝8時まで大丈夫でした。
これは勘違いしたのか途中で変わったのか私にはわかりません。
今回15000円(税別)をお願いしました。
これが高いと思うのか安いと思うのか・・
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全ては料理にかかっていると思っていいかと思います。
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客室は広いんですがごくごく普通です。
しかし食事処や共有スペースはかなりセンスいいです。
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まずはサザエとチーズ
チーズは自家製、胡椒とオリーブオイルでいただきます。
豆腐のような素朴さを持ちつつハイセンス。この宿そのものです。
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熱々のサザエは肉厚。
ガーリックバターです。
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そして読者の皆さん!
おそらく海洋堂のフィギュアでしか見たことがないかと思いますが・・
実はコレ!モノホンの伊勢海老様です!
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まぁ僕クラスになると何度か食べているんですが・・
今まで食った伊勢海老はなんだったのかと!!
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トランポリンの様に強く跳ね返す弾力。
脳天までほとばしる甘み。
奥歯の奥の歯茎が早くこちらによこせと脳に指令を送りますが、そうはいきません。
前歯で一度噛み、中ほどで少しすりつぶし旨味を舌の上に少しづつ配達。
何が違うのかわかりません。
でも今まで食っていた伊勢海老は伊勢海老の殻に違うエビを乗せられていたんじゃないかと思うほど。
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ヒラメです。僕たちの業界ではラメヒーと呼んでいます。
よく平目は美味いものとそうでないものの差が激しいと言いますが・・
極上です。
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その極上のラメヒーには生七味。
これは凄い。生に生。超ナマ派です。
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アメリケーヌソースト言われ、やはり結婚式で出てくる様な昔のフレンチを想像していました。
が・・
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結婚式でこの伊勢海老が出て、このソースなら新婦奪ってその場で結婚式あげてもいいくらい。
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パンも極上でした。
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卵豆腐です。と・・出て来たのが・・具のない茶碗蒸し。
お出汁が上品で焼いた柚子の香りがこの一つだけで最後まで心地いい。
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私がいつも食べているののおすそ分けと言って出してもらえたのが・・
このこです。大好物です。
いつも笑顔で明るいおかみさんです。
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そして真鯛の塩焼き
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こちらも驚くかもしれませんが・・海洋堂ではありません。
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無駄な水分だけを落とし無駄な脂も落とし、香ばしさと旨味を最大限に引き出す焼き方・・
ぜんっぜん違います。
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今後、今までの自分を改めて真鯛に生まれ変わることがあったら・・
確実に、かいとく丸さんを逆指名させていただきます。
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料理に季節感はかなり好きないと思います。
地元の食材にこだわりまくってる感じでもないです。
ブログなどを見る限り内容が変化することもあまりない様です。
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しかし、絞られた素材を使って極められた料理の数々。
毎日同じ料理を作っているからこそできるものだと・・
これはこれで一つの完成系だと思いました。
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部屋のデザイン、器に至るまで良いものをよく知っているからこそできる特別な民宿です。
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そして朝食。
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夜も朝も完璧なご飯。
食い過ぎます・・
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夜もそうですが、わかりやすい良さは少ないです。
子供にはわかってほしくもない大人の良さ。
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これはなくてもよかったと思う料理など一つもありませんでした。
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民宿ですが一流を見た気がします。
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チェックアウト後、この季節香り高く本当に美味しいひじきを求めて岩地を散策。
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岩地のひじきは磯の香りが強くも上品で肉厚。
しかし・・去年今年と不作で、皆さん売らずに家でいただくとのことでした。
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天気が良かったので雲見・・
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石部を周り
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下田から東伊豆へ
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かいとく丸・・
若い頃来ていたら・・と思うと今来て良かった気がします。
少人数で静かにゆっくりと味わう民宿です。 

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