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- 【東京】中華・台湾
デリヘルでも映画でも期待しすぎるとロクな結果は生まれません。
でも何年かに一回・・超絶期待して挑みそれを遥か上回る感動を得ることがある。
それがこの日でした。
南方中華料理 南三
オーナーシェフの水岡さん。
数々の名だたるお店で修行や店長経験を持つ期待の中華料理人。
一ヶ月の台湾中国の放浪食材探しを経てコノ店のオープンを迎えました。
コースは今のところおまかせ5000円(税込)のみ。
これが荒木町で5000円というのは耳を疑いたくなるんだが・・水岡劇場の開幕です。
酔っ払い甘海老
鯖のプーアル茶燻製
緑筍カラスミマヨ
蛍烏賊トビッコ魚醤
羊の舌フェンネルマスタード和え
ゴーヤとアヒルの卵和え
キクラゲきゅうりとしそ和え
こちらのお店のコンセプトは三つの南が付く地名、台南・湖南・雲南の料理の融合。
おそらく水岡さんが好きな料理のベスト3なんだと思います。
ワタクシも大好きな3地方の料理、それだけで期待は高まらざるを得ないんですが・・
今回感じたのが水岡さんの料理はこの三つの地方の料理の再現ではなく、三つの地方の料理の特性や良さを利用して新しい料理を作っていると感じること。
そしてどの料理も完成度が高い。
個性豊かな三つの地方で、本来クセのある料理も少なくない。
よって好き嫌いも生まれることが少なくない料理です。
それがドッコイ水岡劇場。
しっかりと本来の特性クセを残しつつも食べた瞬間コレが嫌いな人なんていないんじゃないかと思わせるキレイな仕上がり。
それでいてマニア受けもしっかり鷲づかみする味だから凄いとしか表現のしようがない。
スッキリと豊かな香りに包まれたしっとりした舌触りの鯖、独特のコクで楽しませる蛍烏賊はトビッコの魚醤なんて聞いたことがない、羊の旨みを引き立てるフェンネル。
ボクが言うのもオコガマシイんですが!
どれをとってもこれだけは特に面白くもないなんて料理はひとつもない。
楽しくて仕方がない。
鴨の舌燻製
羊の内臓ソーセージ
豚の大腸金柑ソース
鶉卵の燻製
北京ダックのようにパリッとした食感・・いやそれ以上にバリバリっと前歯があたった瞬間から豊満な肉汁が飛び出す大腸。個人的には金柑ソースはいらない。
食べても食べても奥歯がコノ味を欲しがって仕方がない。
俺の奥歯が叫ぶ、早くこっちにコレをよこせと。
オオタニワタリ自家製ベーコン
観葉植物だと思い込んでたオオタニワタリ。
香ばしくジューシーなベーコンを和えるだけでご馳走に。
羊肉のニラミントソース
発酵した酸味やハーブの香りと羊肉の味の特性を芯から知り尽くしてる。
バランスが良い悪いなんて次元じゃない。
羊のみならず水岡さんの手に渡ったネギさえも世界中のネギのなかで一番幸せを感じているんじゃないかと。
海老シュウマイ黒トリュフとXO醤かけ
金目鯛発酵唐辛子ソース
単なる湖南料理にとどまらない。
今まで食べた湖南料理とはぜんっぜん違う。
これってアートですよ。
食べても食べても次の料理のワクワクがとまらない。
ファイナルファンタジーに例えるとバーサク状態。
房総半島琥珀鶏と20年物の切り干し大根生姜の入ったスープ
鶏肉ですがバクテーに近い旨み。
羊の筋肉ウイグルチャーハン
コノ店は安くて美味しい店ですか?と聞かれれば答えはYES。
でもそう答えた直後に、それはそうなんだけどコノ店で感じえることはそんな物事じゃないと落ち着かない雰囲気になるのは間違いないです。
桃の樹液の杏仁豆腐スイカシャーベットのせ
このブログで一番書きたいことはこれがどうだったコレが良かったとかそういうことが書きたいわけではないんです。
これから長い年月をかけて水岡さんの引き出しを片っ端から空けたいという思いを書きたい。
月替わりでコースメニューが変わると聞きました。
どんな小さな引き出しもポケットの奥でさえもむやみやたらにほじくり返したいと思っています。